2025年04月22日 16:29

富士通と理化学研究所(理研)は、2021年に共同で設立した「理研RQC-富士通連携センター」において、世界最大級となる256量子ビットの超伝導量子コンピュータを実現した。これは、連携センターが2023年10月に公開した、国産二号機である64量子ビット超伝導量子コンピュータを拡張して開発された。

超伝導量子コンピュータの大規模化には、量子ビットの集積化だけでなく、極低温状態を保つために希釈冷凍機内に発生する熱と冷却能力をバランスする熱設計と高密度実装が重要な課題。今回、それらの技術的課題を克服し、量子コンピュータの演算機能の中心を担う量子ビットチップを、64量子ビットから256量子ビットに大幅に拡充し、計算能力の拡大を実現した。

ハイブリッドプラットフォームの計算能力が4倍に拡大したことにより、利用者は、従来よりも大きな分子の解析や、多くの量子ビットを使用したエラー訂正アルゴリズムの実装と実証実験が可能となる。また今後、ハイブリッドプラットフォームにおいては、量子コンピュータと現行コンピュータが連携して、量子と現行コンピュータのハイブリッドアルゴリズムを効率的に実行する機能も実装。ユーザビリティを向上させていく。

富士通と理研は今後、1000量子ビット超級の超伝導量子コンピュータを実現するために、量子ビットチップの設計や製造技術の高度化、また、高精度な量子ゲートを実現する技術開発にも取り組んでいく。