2025年04月09日 19:11

ソノファイは、冷凍ビンチョウマグロの脂のりを判定するAIを搭載した自動検査装置「ソノファイT-01」を、水産加工業や漁協など向けに6月に国内で販売開始。順次グローバルにも展開していく。

従来、ビンチョウマグロの脂のりを確認する作業は、職人の目視に頼っていた。これは、冷凍されたマグロの尾の部分を切り出し、解凍して脂のりを確認する「尾切り選別」という工程で、多くの人手と時間がかかる。

しかし、作業者によって判定にばらつきが生じていたり、熟練した職人が不足していたりすることから、水産商社や加工業者が、安価なビンチョウマグロを全数、正確に尾切り選別することは極めて困難。そのため、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値のビンチョウマグロを、適正な価格で市場に流通させることが難しい状況だった。

本装置は、富士通、および食品加工装置を製造販売するイシダテック、ならびに東海大学静岡キャンパスで共同開発。富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発した超音波解析AI技術を活用することで、世界で初めて非破壊でAIによる冷凍ビンチョウマグロの脂のり判定を実現した。目視検査に頼ることなく自動で、より高精度な脂のり判定を行うことができる。

従来の脂のり判定から最大80%の省力化や作業効率化が可能になることにより、冷凍ビンチョウマグロの全数検査を実現。ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値商品の流通量の増加に貢献する。