2025年04月09日 11:20

朝日新聞社メディア研究開発センター員の新妻巧朗さんが主著の論文が、第4回計算社会科学会大会(CSSJ2025)にて大会優秀賞を受賞した。CSSJ2025は2月16日~18日まで筑波大学東京キャンパスにて開催され、現地で新妻さんが発表した。

本論文は、同社アドバイザーの北陸先端科学技術大学院大学・中分遥准教授、筑波大学・吉田光男准教授との研究成果をまとめたもの。投稿した情報が拡散されやすいユーザーを、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上で影響力の強い「インフルエンサー」であると定義。その上で、インフルエンサーが他者の情報を共有(いわゆる「リポスト」や「シェア」)した場合の拡散のされ方について検証した。

本論文ではXにおける情報のやり取りを多角的に分析し、インフルエンサーが共有する情報は、他者の情報であっても、インフルエンサーではないユーザーが共有する場合と比べて拡散されやすいことを示した。情報の送り手がインフルエンサーである場合に、それを拡散する動機が高まる「名声バイアス」の影響を明らかにし、フェイクニュースなどの伝播過程の理解に新たな視座を提供する。

「メディア研究開発センター」は2021年4月に発足。人工知能を始めとする先端メディア技術と、新聞社ならではの豊富なテキストや写真、音声などの資源を活用し、社内外の問題解決を目指している。それとともに、自然言語処理や画像処理をはじめとした先端技術の研究・開発を進めている。