2025年04月07日 09:56

大林組は、三和シヤッター工業と共同で、防火パネルシャッター「スプリットシータ」を開発し、3月31日に90分間の遮熱性能を有する防火設備として、初めて国土交通大臣認定を取得した。
建築物の木造・木質化を推進する上で、火災・延焼対策が重要課題であり、建築基準法では、「中大規模建築物の一部を木造とする場合には延焼を遮断する区画壁の開口部に遮熱性能のある防火設備の設置を要する」と定められている。このため、区画壁の開口部は鉄を基材とし、ケイ酸カルシウム板を重ね張りした重い扉を設置し、常時閉鎖するのが一般的であり、大きな開口部が作れないと考えられてきた。そこで両社は、建築物の木造・木質化の推進と、自由な空間設計・簡易な運用の両立を可能にする「スプリットシータ」を開発した。
「スプリットシータ」は、遮音・遮煙性能のあるパネルシャッターに発泡性耐火被覆シートを組み合わせた構造。従来の防火シャッターは遮炎性能のみを有していたが、「スプリットシータ」は耐火壁と同様の遮熱性能を有している。また、火災発生時に自動的に閉まる仕組みのため、常時閉鎖する必要がない。告示仕様では防火扉で閉塞感のあった場所が「スプリットシータ」導入により大きな開口部となることから、建築物に連続した空間による開放感を持たせることが可能だ。「スプリットシータ」は、2024年4月に施行された法改正により実現可能となった「部分的な木造化」や、「低層部分の木造化」などの区画の開口部に要求される性能を満たす、90分間の遮熱性能を有する防火設備として国土交通大臣認定を取得した。