2025年02月20日 12:25

三菱電機は、混合プラスチック片の組成の変化に応じて種類ごとに自動選別できる世界初の「スマート静電選別」技術を開発し、検証実験を2月19日から開始する。
同社グループが保有する静電選別技術は、プラスチックの種類ごとに摩擦帯電傾向が異なるという静電気の特性を利用して選別する高度選別技術の一つ。本技術の市場投入に向け、これまで多種多様な業種の企業約30社の廃プラスチックのサンプル評価試験を実施し、高純度に選別できることを確認してきた。一方で、実際のリサイクルでは回収される廃棄物によって得られる混合プラスチック片の組成がさまざまに変化するため、プラスチックの組成に応じて選別装置を都度調整する専門知識やオペレーションノウハウが必要なことが課題だった。この課題を解決するために、同社は、AIを駆使することで専門知識やオペレーションノウハウが不要な「スマート静電選別」技術のコンセプトを2023年8月に確立し、検証機の開発を進めてきた。
今回、「スマート静電選別」のキー技術となる、プラスチック片の選別前・選別後組成識別センサーおよび識別アルゴリズムや、プラスチック片の比電荷をセンシング可能な独自の比電荷分布評価システム、センシング結果に応じて選別機を最適な条件に自動制御するAI技術を開発し、これらを搭載した検証機を製作した。この検証機を用いて、あらゆるプラスチックの組成に応じて、専門知識やオペレーションノウハウがなくても自動で高純度に選別できることを検証していく。
期間は2月19日~2026年9月30日(予定)。