2025年02月04日 16:00

科研製薬、日本気象協会およびJMDCは、長崎大学と共同で、診療報酬明細書(レセプトデータ)と各種気象情報を用いた多汗症患者の受診状況に関する調査を実施。気象と多汗症の受診状況に、一定の相関関係があることを見出した。
原発性局所多汗症は、手のひら、足のうら、腋窩(ワキ)、頭部顔面の限局した部位から日常生活に支障をきたすほどの過剰な発汗を認める疾患。本邦における2013年の調査によれば有病率は12.8%と報告されているが、医療機関への受診率は6.3%と低いことが明らかとなっていた。また気象情報の各種項目、およびそれらの変化によって、多汗症の発症や受診状況に実際にどのような影響があるのかを検証したエビデンスはほとんどない。
今回の調査ではビッグデータを活用。2015年1月~2022年9月までのレセプト上に「発汗過多」等が観察された100万人超(延べ患者数)の医療データに対し、同期間に蓄積した膨大かつ多様な気象データの各項目を照らし合わせて分析した。
分析の結果、多汗症患者数は各年次の夏季(平均第31週目)をピークとした周期的な受診状況となっていること。多汗症患者数との相関性分析から、「最低気温」および「体感温度」の相関性(単変量解析による決定係数)が高い傾向にあること。気象データを用いて多汗症流行開始期を推定する試みの結果、流行開始期はおよそ南から北の順で5月~7月まで分布することが示された。