2025年01月30日 12:59

アボットは、昨年、厚生労働省より製造販売承認を取得した、慢性疼痛を緩和するための植込み型充電式脊髄刺激装置「Eterna(エターナ)」の販売を開始した。本製品は、脊髄に微弱な電流を与えることで慢性疼痛を緩和する、脊髄刺激療法(SCS)のためのシステム。
日本における慢性疼痛の有病率は、成人人口の22.5%と報告されており、推計患者数は約2315万人に上る。また、慢性疼痛による経済損失は、約2兆円に上ると報告されている。
脊髄刺激療法(SCS)は、慢性的な痛みを管理し生活の質を向上させるための治療法で、日本では30年以上に渡り使用されてきた。SCSでは脊髄に微弱な電気刺激を与えることで、痛みを引き起こしている神経の異常な興奮を調整し、脳に伝わる痛みの信号を和らげる。使用されるデバイスは、硬膜外腔に配置される細いリードと腰下方の皮下に留置される小さな刺激装置で構成されており、リードの先の電極から電気刺激を流す。
「Eterna」開発にあたり、同社は患者、医師、介護者を対象とした広範囲な調査を実施。その結果、術中および術後の負担軽減のために、より小さなサイズの植込み型装置が望まれていること。また、デバイスを毎日または毎週充電するのにかかる負担を減らしたいというアンメット・メディカル・ニーズが判明した。そこで通常使用時において年5回程度の充電のみで継続使用が可能な「Eterna」を開発。充電に対する患者の負担を軽減するプラットフォームを実現した。