2024年12月18日 19:50

アジラは科学警察研究所と共同研究を行い、その成果をまとめた論文がIEEEのRIVF2024にて採択された。今回、AIが映像を解析することで映像に映る人物の中から、不審な行動を取っている人物を検出する技術について共同研究を行った。

映像を解析することで不審者を検知する既存のアルゴリズムでは、プライバシーの問題が常につきまとう点と、人間の行動や映像が撮られている環境は多岐に渡る点が問題だった。また、アカデミックな評価に使われるデータセットは理想的な環境のデータが多く、実際に運用が想定される現場環境とはかけ離れている。そのため、実際に運用が想定される環境での違和感の定義要件を固める事が大変難しいことが大きな課題となっていた。

このたび、アジラの骨格推定技術により映像から生成された「骨格モデル」を解析するアルゴリズムで人物の行動を解析することでプライバシーの問題を解決。RGB情報から人物の骨格情報を抽出することにより、環境差異による問題を低減することで精度の向上を実現させた。

また、科学警察研究所が構築した独自のデータセットと、多くの映像解析AIの開発で用いられているアカデミックなデータセットである「SanghaiTech」とを比較検証し、独自のデータセットの有用性を確認。その上で共同開発したAIで独自のデータセットを解析した結果、骨格情報を用いることでRGB情報を解析した場合よりも高い精度で不審行動や異常行動を検知することに成功した。