2024年12月18日 11:33

MPM社は、FormlabsのFuseシリーズ(SLS 3Dプリンター)を活用し、生産効率とコスト削減を同時に実現したことを明らかにした。
同社では、溶接治具やロボット用エンドツールの製造における高コストと長いリードタイムが、生産現場の柔軟性と効率性を制限していた。また外部委託による部品調達は数週間を要し、急な対応は困難。さらに頻繁に必要となる特殊部品の調達遅延により、生産ラインが停止するダウンタイムが発生していた。複雑な形状や高い耐久性が求められる部品の調達も課題となり、これらが競争力低下を招いていた。
そこで、FormlabsのFuseシリーズを導入。超音波溶接治具をSLS 3Dプリンターで内製化することで、コストを従来のCNC加工と比較して90%削減した。また、リードタイムを3週間からわずか1日に短縮し、迅速な対応が可能となった。またロボットのグリッパーをFuseシリーズで製造し、従来ユーロ55かかっていた部品をユーロ1で生産可能に。これにより、年間でユーロ1万500以上のコストを削減した。
ナイロン12パウダーを活用した部品は軽量かつ耐久性に優れ、約6万ユニットの製造に耐える性能を持っている。特殊な形状を持つ吸盤付きのロボットボードや複雑なアセンブリ品も内製化し、ダウンタイムを最小限に。Fuseシリーズの多用途性により、製造ラインの柔軟性が大幅に向上し、現場での迅速な対応力も生まれた。