2024年12月10日 15:49

パナソニックは中部電力ミライズと共に、家電機器をデマンドレスポンス(DR)制御する実証実験を行った。
近年、電力供給に合わせて需要側が賢く電力使用量を変化させて電力需給バランスを調整するDRの重要性が高まっている。電力使用量を変化させるDRには、電力使用量を減らす「下げDR」と、増やす「上げDR」の二つのパターンがある。家庭においては、電気事業者から前日に通知されるDR要請に対してユーザー自身が考えてアクションすることが一般的だが、「何をしたら良いのか分からない」「アクションを忘れる」などの理由で十分な貢献となりづらい課題があった。
そこで、常時稼働しており、年間を通じてDRに対応可能であるもののユーザーによるアクションが困難であった冷蔵庫に注目し、DR機能を試験搭載。中部電力ミライズからのDR要請をユーザーのスマートフォンアプリへ通知し、ユーザーがアプリを使って予約すると冷蔵庫が自動で下げDR運転、または上げDR運転を実施。要請に対する自動DR制御の有用性も確認した。
さらに、DR運転の開始および終了時刻をアプリや冷蔵庫のアラームで通知することで、他機器に対しても省エネ行動を起こすなどユーザーの行動変容にもつながり、要請に対する家全体での貢献量も向上。アンケートからは、DR運転による保存食品への影響はなかったことが確認された。
パナソニックは今後もDR機能を搭載した冷蔵庫開発を進め、中部電力ミライズをはじめ各電気事業者と家電DRサービスを検討していく。