2024年10月17日 19:00

田中貴金属工業は、半導体パッケージの後工程におけるファイナルテストで使用されるプローブピン用パラジウム(Pd)合金材料「TK-SK」を発表した。本製品は10月24日~25日に福岡県で開催される「SWTest Asia 2024」にてパネル展示を行い、年内にサンプル提供を予定している。

高硬度のプローブピンは近年需要が高まっているが、硬度を高めると、切削の際に破損するなど、材料の加工が難しくなるといった課題がある。そのため市場に流通するパラジウム合金系材料の硬度は560HV程度が最大とされていた。この度、田中貴金属工業では、独自の加工技術により、硬度640HVに到達する本製品の開発に成功。本製品について、2028年までに既存製品の1.5倍の出荷量達成を目標としている。

テストソケットには、探針としてポゴピンタイプのプローブピンが使用される。検査時にプローブピンの先端(プランジャー)は、基板との接触時に摩擦が発生するため、摩耗により変形する。また、プランジャーには、はんだ材料が付着する場合があり、クリーニングのためにはんだ材料を削り落とす必要があり、その際にもプランジャーは摩耗により変形してしまう。

検査時の変形により、検査装置のプローブピンは定期的にメンテナンスの必要があるが、高硬度のプローブピンを採用することで、半導体検査装置におけるプローブピンの摩耗による変形を軽減。検査装置の長寿命化と低コスト化への寄与が期待できる。