2024年09月11日 15:08

大日本印刷(DNP)は、宿泊施設等の書店業以外の事業者に対し、従来のサービスに本を組み込んで利用者の体験価値を高める、書店開業支援サービスを開始する。
国内の書店が減少するなか、3月時点で、地域に書店が1つもない無書店の自治体は全国の27.7%(482自治体)に及ぶ。一方で書店業以外の事業者は、サービスの付加価値やリピート率、滞在時間の向上の手法として本を活用した場づくりに価値を見出しており、書店開業のニーズが高まっている。しかし、従来の書店経営のビジネスモデルが専業を前提として設計されていることもあり、本の仕入れ条件の厳しさ、利益創出の難しさなどの課題によって、書店開業のハードルが他業種にとっては高くなっていた。
こうした課題の解決に向けてDNPは、出版関連事業で培ったノウハウを活かし、書店業以外の事業者に対して、書店開業に向けた一連の支援サービスを提供する。書店以外の各種施設で本を販売することで地域の住民等が本を買う場所を提供し、国内の書店減少や書店のない自治体の増加による課題解決にも貢献する。
本サービスの導入第一弾として、9月19日にオープン予定である、「定山渓(じょうざんけい)第一寶亭留(だいいちほてる)翠山亭(すいざんてい)」(北海道札幌市)内の温泉と読書を楽しむ空間「風呂屋書店」の開業を支援する。この書店では、宿泊者だけでなく誰もが約2500冊の書籍を閲覧・購入できる。