2024年06月21日 09:04

クリーンオーシャンアンサンブルが、瀬戸内海で行っている海洋ごみ回収装置での第7回目の実証実験において、初の海上マイクロプラスチックの回収に成功した。
第7回目となる風や潮流等の自然の力を活用した海洋ごみ自動回収の実証実験は、5月19日〜6月8日までの21日間、小豆島東側の海洋ごみが溜まるホットスポット海域にて設置した。設置日の翌日から経過観測を記録し、天候等の条件から海洋ごみの流れ方・量を調査しながら5日ごとの回収を行い、合計回収量は約1.21kgの海洋ごみ回収と観測史上初となる71個の海洋マイクロプラスチックの回収に成功した。
マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の非常に小さなプラスチックの断片を指す。プラスチック製品の分解や摩耗、化粧品や洗浄剤などに含まれるマイクロビーズから発生し、マイクロプラスチックは環境中に既に広く分布しており、特に海洋環境において深刻な問題となっている。
海洋ごみの流れ方や溜まり方の知見を活かし、漁網を活用した海洋ごみ回収技術開発を行ってきた。海上で浮遊するのはプラスチックごみだけではなく、魚やプランクトン、海藻も混ざるため、海に有害なプラスチックだけを回収する方法を試行錯誤しており、魚は逃げ場の動線確保、プランクトンは網の目を大きくすることで対応してきた。今回、海藻にマイクロプラスチックが付着していることが判明し、マイクロプラスチックを除去してから海に再放流することでマイクロプラスチックのみの回収に成功した。