2024年03月15日 16:43

花王マテリアルサイエンス研究所は、佐賀市が有する清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用。独自の植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデン)」を構築した。

花王は、3つの循環による持続可能性をコンセプトに「スマートガーデン」 を構築し、ローマカミツレとローズマリーを栽培している。1つ目はCO2の循環利用で、佐賀市の清掃工場から出るCO2をCCUにより回収・精製し再利用。CO2は植物の光合成を促進させるが、このCO2を植物に与えることで、生長速度が約20%向上することを確認した。

2つ目は水耕栽培による水の循環利用。今回の栽培では水を繰り返し循環利用することで、露地での栽培品と比較して、水使用量は約40%になっている。さらに「スマートガーデン」では使用する電力をすべて、地熱、水力発電といった再生可能エネルギーにすることで、CO2の排出を削減している。

また、収量、品質の向上を可能にした栽培技術、及び高純度・高効能な植物エキスを可能にした植物加工技術を確立。その結果、「スマートガーデン」で栽培した植物を加工して得られた高純度化ローマカミツレエキスと高純度化ローズマリーエキスは、着色の低減や菌の増殖抑制、糖化反応の抑制や肌バリアの改善効果を有することが確認できた。

「スマートガーデン」で栽培・加工するエキスは、今後、花王グループの美容と健康をめざした製品などへ応用を検討。また将来的には海外を中心に原料として販売していく予定。