2022年12月15日 15:44

「山と溪谷」社より、12月17日、「新種発見! 見つけて、調べて、名付ける方法(馬場友希、福田宏:編著)」が発売される。実は生物の新種は、私たちが気付いていないだけで身近な場所にもまだまだたくさん潜んでいるという。
本書では、21人の日本国内における新種発見のエピソードを紹介した。新種発見者は分類学者のほか、生態学や遺伝学を専門とする大学研究者、博物館の学芸員、4歳児など、専門分野も職業もさまざま。エピソードの舞台は、南は南西諸島から北は北海道まで。そして、自宅の駐車場や近所の公園、博物館の展示、SNSの投稿写真、web上のデータベースや文献といった身近な場所での新種発見も多数収録している。
取り上げる生物は昆虫、クモ、貝類、魚類、鳥類、植物、菌類、恐竜やアンモナイトなど多種多様。調査や実験の手法も生物ごとに異なっている。学術論文では語られない新種発見の裏話は、執筆者の生物への熱い想いに溢れ、発見の瞬間の興奮を読者が追体験することができる。
巻頭では、新種の発見から記載までのフローチャートや、記載論文の内容解説など、新種記載にまつわる基礎知識を解説。またエピソードに登場する専門用語は、巻末に用語集を設け、専門家の監修のもとで解説した。中学、高校での生物の授業では触れられない、生物観察を行なう上で知っておきたい、分類学の基礎知識を身につけることができる一冊となっている。価格1870円(税込)。