2022年08月04日 09:35

DICとエフピコは、プラスチック製食品トレーの完全循環型リサイクルに向け、食品トレーの原料であるポリスチレン(PS)について、世界初の溶解分離リサイクル技術を用いた協業を開始した。2023年の社会実装を目指す。

2020年11月に、DICとエフピコは、ポリスチレンの完全循環型リサイクルの取り組みの開始を発表し、両社が保有する技術および回収・リサイクル体制を最大限に活用する新たなモデル構想を打ち出した。

エフピコグループは、「トレーtoトレー」のリサイクルを掲げ、スーパーマーケットなどに設置された約1万の回収拠点から、使用済み食品トレーなどを回収し再利用している。食品トレーは、用途に応じて白色と色柄付きの発泡トレーがある。一般家庭から排出される使用済みの白色発泡トレーは、再び食品トレーにリサイクルされている。一方で、色柄付き発泡トレーは、リサイクルした際に再生ペレットが黒色になってしまうため、ハンガーなど別の日用雑貨品に再生利用されている。

この課題解決に向け、DICは色柄付き発泡トレーの新たな溶解分離リサイクル技術(Dic法:Deinking chemical process)を開発。これにより、色柄付き発泡トレーについても従来の白色のエコトレーと同様に「トレーtoトレー」のリサイクルが可能になる。

現在Dic法に関する工業的な検証をDIC四日市工場で進めており、2023年には色柄付き発泡トレーなどの市場回収品のリサイクルを開始し、並行して進めているケミカルリサイクルとのハイブリッド化を目指す。