2022年05月31日 09:58

世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、環境月間間近の「530(ゴミゼロ)の日」にちなみ、「地域と一緒に!漁網のみらいプロジェクト」を発足し、宮城県気仙沼市と協働で、使用済み漁網を回収しリサイクルするプロジェクトを開始することを発表した。

海洋プラスチックごみは、最も急速に悪化している国際的な環境問題の一つ。海洋に流出しているプラスチックは、推定で年間1100万トンと言われ、なかでもウミガメや海鳥といった生物に深刻な被害を与えているのが「ゴーストギア」、つまり海に流出した漁網やロープ、釣り糸などの漁具。そのほとんどは、プラスチックでできており、年間50万~115万トンと推定されている。

今回のプロジェクトは、この問題の解決策の一つとして、WWFジャパンがいつくかの水産都市の自治体と漁協など地域の協力を得て「ゴーストギア」の発生予防に取り組むもの。今回プロジェクトを開始するのは宮城県気仙沼市。海洋プラスチックごみ問題に先進的に取り組む気仙沼市に対し、かねてより同市教育委員会と教職員向けESD(持続可能な開発ための教育)研修を行なっていた繋がりから、WWFジャパンより漁網回収・リサイクルの協働について、気仙沼市に提案。そして、漁協を通じて、まずサケ刺し網などを対象に、回収を開始することになった。使用済み漁網の回収とリサイクルは、米国のリサイクル専門会社、テラサイクルジャパンが、マテリアルリサイクルを行ない、再生プラスチック原料としたうえで、スポンサー企業の協力を得て製品化を行なう予定だ。

「地域と一緒に!漁網のみらいプロジェクト」について