2022年03月31日 09:59

国立科学博物館は、「剥製3Dデジタル図鑑 Yoshimoto 3D」を公開した。
国立科学博物館収蔵の「ヨシモトコレクション」は、その名が示すように、ハワイの実業家、故ワトソン T.ヨシモトさん(1909~2004)より寄贈された世界的規模の標本コレクション。高度な技術で作成された約400点の動物剥製を中心としており、既に採集が難しい地域の動物種や、採集時の詳細な記録を多数含むことから、学術的価値も高いもの。しかし、その多くは、収蔵庫に収められており、展示室で見ることはできない。そこで、ヨシモトコレクションの中から、これまでに作成してきた23点の哺乳類剥製3Dモデルについて、その剝製標本としての情報と生物種としての情報を集約し、Web上で閲覧可能な「剥製3Dデジタル図鑑 Yoshimoto 3D」を開発し正式公開した。
「Yoshimoto 3D」では、通常展示室では見ることのできない動物を中心に23点の剥製3Dモデルを自由な角度と大きさで閲覧できるだけでなく、剥製標本としての詳細や、その生物種としての分布や特徴、絶滅危惧種なのか否かといった情報を、一つのページの中で一度にまとめて見ることができる。さらに、剥製一覧では、名前や、大きさ、採集された時期などで並び替えや検索も可能であり、3Dモデルだけでなく、情報も様々な角度から捉えられる。他の動物データベースやWeb生物百科事典の関連情報へのリンクも掲載されており、哺乳類を知るポータルとして学校教育や専門研究、そして一般の人の閲覧まで幅広く活用できる。