2021年12月28日 19:06

Slow Food Nipponは、このまま放っておいたら消滅してしまうかもしれない伝統食材を記録するための「味の箱船」という取り組みをしている。今回、味の箱船に登録されている食材を守り繋いで行くため、生産者や地域の人たちと協働して絵本「味の箱船絵本シリーズ」を制作し、子どもたちへ届ける挑戦を始めた。

世界各地の伝統的な食文化や食材を登録していく「味の箱船」プロジェクトを1996年から進めている。伝統かつ固有の在来品種の野菜や果物と加工食品、伝統漁法による魚介類など、世界中で5500食材以上、日本では74食材が登録されている(12月現在)。その多くは、各地域にしかない食材、このまま放っておいたら作る人も食べる人もいなくなってしまうような希少なものばかり。世界共通のガイドラインで選定、登録し、それらが完全に失われてしまわないように記録しておくことを目的としている。

子どもや孫たちに、生まれ育った地域の「おいしい」を、受け継いでいくため、また生産者の想いを伝え、次世代の担い手を育てていくために、「絵本」をつくることになった。

「味の箱船」に登録されている日本の74食材のうち、4地域の4食材を題材に、4冊の絵本をつくる。「ハタハタのしょっつる(秋田県)」、「潮かつお(静岡県西伊豆町)」、「エタリの塩辛(長崎県)」、「フーヌイユ(沖縄県国頭村宜名真)」。

助成金だけで必要な費用を全てをまかなうことはできないため、クラウドファンディングを開始している。