2025年04月11日 19:32

甲子化学工業は清水建設と、ホタテ貝殻を再利用して作られた「HOTABENCH(ホタベンチ)」を、大阪・関西万博の「フューチャーライフビレッジ」エリアでの展示を開始。特設サイトも公開した。

「HOTABENCH」は、ホタテの廃棄貝殻から生まれたサステナブルなベンチ。使用する砂の一部(40kg)を、ホタテの廃棄貝殻に置き換えた。コンクリートを100%使用するベンチと比較して、約300kgのCO2を削減する貝殻由来の素材で作られている。また、型枠を作らない3Dプリンターで作られているため余計なCO2を排出することなく作られた。

さらにバイオミミクリー(生物模倣)と言う自然界の考えに基づき、ホタテの構造を模倣した特殊なリブ構造をデザインに取り入れている。実際に、大型3Dプリンターで造形された際に生じるしま模様「積層痕」を、敢えて表面に残すことで余計な手を加えることなく自然な形で表現された。約1000枚もの廃棄貝殻をリサイクルするだけでなく、3DプリントによってCO2削減にも貢献。これまで廃棄されてきたホタテの貝殻に新しい命を吹き込む。

今回のベンチには、北海道猿払村のオホーツク海沿岸で採れたホタテの貝殻に加え、新たに北海道・内浦湾および青森県・陸奥湾で育ったホタテの貝殻も使用。ただし、ホタテの種類や育成方法によって素材の特性が微妙に異なるため、理想的な配合比率を見つけるには多くの試行錯誤が必要だったという。詳しくはこちら