2025年04月10日 16:05

パナソニックは、三菱ガス化学とコンセントなどの配線器具をターゲットに、CO2から製造したメタノールを原料とする環境配慮型ユリア樹脂を共同で開発した。
ユリア樹脂は熱硬化性樹脂の一種で、耐トラッキング性や耐アーク性に優れ、配線器具の電気火災安全性を支えている。しかし、ユリア樹脂は一度硬化すると加熱しても溶けないため、マテリアルリサイクルができず資源循環が難しいという課題があった。
そこで、パナソニックはユリア樹脂の原料であるメタノールがCO2から合成可能であることに着目。三菱ガス化学と共同でユリア樹脂をカーボンリサイクルする新しい製造スキームを確立した。この方法により、これまで資源循環が難しかったユリア樹脂の炭素資源を循環できるようになる。
また、CO2を固定化したメタノールを原料とするため、CO2排出量を従来のユリア樹脂と比べて約20~30%削減することが可能。さらに、この環境配慮型ユリア樹脂の成形条件・物性は従来の化石資源由来樹脂と同じであるため、製造設備を変更することなく、品質の変わらない配線器具を製造できる。
この環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具を導入することで、住宅やビル等の建築物の設備の資源循環に貢献できるほか、エンボディードカーボンの削減にもつながる。2025年度以降には、この環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具の販売を目指す。