2025年04月08日 15:42

竹中工務店が2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場敷地内「大地の広場」で、2024年8月より3Dプリンターで建築を進めていた「森になる建築」が3月27日に完成した。
本建築物は、最先端の3Dプリント技術と手づくりの技を融合させた、環境に配慮した新しい建築の形を提案するもの。直径4.65m、高さ2.95mの建築物2棟で構成され、会期中(4月13日~10月13日まで)は来場者の休憩施設として活用される。
建築の特徴として、構造体には生分解性樹脂を採用。外装には一般市民が参加したワークショップで作られた「シーズペーパー」(植物の種をすきこんだ和紙)を使用している。さらに、伝統工芸の職人や福祉施設の人々によって作られた和紙も組み合わせ、多様な人々の参加によって完成した建築物となっている。使用後に廃棄物となるのではなく、自然に還る建築を目指した。
本プロジェクトは、2020年から2021年にかけて実施した社内コンペで最優秀賞を獲得した「Seeds Paper Pavilion」のアイデアを発展させたもの。技術開発から強度試験をはじめとした実証実験を経て、「休憩に使える仮設建築物」として、「建築確認申請」の「確認済証」が交付され、2024年7月に着工した。3Dプリンターを用いて「酢酸セルロース造」の構造体を現地で出力、本年2月に「検査済証」が交付され日本初の「酢酸セルロース造」による未来型建築が実現した。