2025年03月10日 15:27

コンステックは、建築物の外壁調査業務の効率化・省人化、労働環境改善を目的として、AIを活用した支援技術の開発に取り組んでいる。すでにプロトタイプが完成しており、同社の展示会「テクノフェア2024」にて初公開した。

現在のRC造建築物外壁調査は、ひび割れや鉄筋露出などの変状把握は人による目視で行われている。変状の位置や範囲についてメジャー等を用いて図面に書き込んで記録し、事務所に戻ってCADデータとして清書を行っている。高所などで地上から確認しにくい場合は、高所作業車やロープによってアクセスしているが、作業員の安全確保や調査・記録用具の落下防止のため作業環境は煩雑。労働人口が減少していく傾向にある今、外壁調査業務の効率化・省人化は急務であると言える。

支援技術は、建築物の外壁を撮影した写真からひび割れや鉄筋露出などの変状箇所をAIに自動検出させようとするもの。検出結果はCADやCSVなどのデータとして出力可能なものとして構築する。土木構造物などのコンクリート打放し仕上げを対象とした同様のサービスは既に提供されているが、建築物は仕上げの種類が多岐にわたり、また凹凸も多いためAIの活用が浸透していない状況にある。

本開発では、主に塗装仕上げを対象に教師データを整備することで、建築物の外壁調査に特化したAIを構築している。現在は、構築したAIの検出精度や作業効率向上の検証、ソフトウェア開発を行っており、令和7年度に完成を予定。