2025年02月20日 12:45

三菱電機は東京科学大学(Science Tokyo)の大友順一郎教授らと共同で、ケミカルループ方式CO2還元技術の実証試験を2月19日に開始する。
政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言の実現に向け、省エネルギー化および再生可能エネルギー導入の推進が求められている。これに加えて、CO2を大気に放出させず、回収して資源として利用するCCU技術が注目されているが、実用化に向けてはCO2を還元してCOを生成する際のエネルギー効率の向上が課題。
今回、同社が保有する高度なシステム設計・制御技術と、Science Tokyoが保有する化学プロセス技術を融合。独自の酸素キャリア粒子を用いた、ケミカルループ方式によるCO2還元技術を開発した。
この技術は、まずCO2を酸素キャリア粒子と反応させることで、酸素キャリア粒子がCO2から酸素を受け取りCOを生成。次に、酸素を受け取った酸素キャリア粒子を水素(H2)と反応させることで、酸素キャリア粒子の酸素をH2が受け取り、水(H2O)を生成する。酸素を手放した酸素キャリア粒子は再度CO2還元反応へと備える。このように、CO2還元反応とH2酸化反応を別々に繰り返し行うことでCOが再びCO2に戻る反応を抑制でき、高いエネルギー効率でCOを生成することが可能となる。
実証試験ではラボスケールでのCO生成実証を行い、エネルギー効率の向上に向けた検証、システムスケールアップ設計、酸素キャリア粒子の製造方法の検討などに取り組む。