2025年02月18日 15:45

百年住宅は、建築用3Dプリンターの技術とプレハブ建築のWPC工法を融合させた日本初となるハイブリッド建築を開発。2月、静岡市駿河区桃園町にあるSBSマイホームセンター静岡展示場において、同ハイブリッド建築によるトイレ建屋を完成させた。
近年、地震や台風、豪雨、土砂災害が頻繁に発生しており、コンクリート住宅のような堅牢な建物が求められている。しかし一般的なコンクリート(RC)造は、職人不足、建築資材高騰、かつ工期が長いということから小規模建築では普及されていない。これらの課題を解決するため、コンクリートプレハブ住宅のWPC工法に注目が集まっているが、そのデザインの自由度には制限があった。
同社はセレンディクス社(3Dプリンター建築のベンチャー企業)とのオープンイノベーションの協業を行っており、この協業の中から派生して開発されたのが、今回のハイブリッド建築。
今回の公衆トイレの構造躯体は、PCパネル部材を現場で組み立てるWPC工法。その後、構造躯体を囲むように意匠の壁として建築用3Dプリンターで制作した部材を設置。これまで鉄筋コンクリート造では困難であった、円形や曲線、表面の凹凸を3Dプリンターを用いることで実現した。構造躯体の組立工期は通常の鉄筋コンクリート構造と比較し、1/4程度に短縮された。
建設職人不足による人件費の高騰を解消し、高耐震・高耐久の性能を維持したこのハイブリッド工法は、住宅など様々な建物への応用が可能。今後の大地震や、国が進める住宅ストック政策にも対応できる。