2025年02月13日 18:44

アルヌールは、カギケノリの人工海水を用いた樹脂バッグでの培養に成功した。カギケノリは牛のゲップ由来メタン発生を抑制する効果があるとして注目を集めている海藻。しかしながら、全国の牛の飼料に添加することを目指すには天然のカギケノリを収穫するだけではまかなえない。そこで、アルヌールでは海と陸の両方でカギケノリの大量養殖技術の研究開発を行っている。

これまでアルヌールでは神戸大学と協力して鹿児島県産のカギケノリ培養株を確立している。この度、培地となる人工海水と栄養塩類の検討を重ね、天然海水を用いずとも100%人工海水を使用してカギケノリを安定培養させることに成功した。また、培養にはエアーリフト方式を採用した樹脂バッグを用いることで、省コストに培養を開始・管理することができる。

天然海水は天候や微生物の混入など、採水する環境によって品質が影響を受けるが、一方で、組成が決められた人工海水であれば均一で安定した培養が可能となる。また人工海水のみを使用すれば、海から離れた場所であっても人工海水粉末を水道水に溶かすだけで培養が可能。天然海水を用いる場合に生じる、くみ上げや運搬といったコストを削減することもできる。

アルヌールでは今回の成果をもとにさらなる最適な養殖条件の検討を重ね、陸上でのカギケノリ養殖に取り組んでいく。