2025年01月24日 12:52

大阪ガスとJR西日本は、2月より湖西線において強風予測システムの本導入を開始する。
湖西線は、琵琶湖北西に連なる比良山系から吹き下ろす「比良おろし」という特有の風が吹く線区。そこで、急遽の運転取り止めによる、途中駅での長時間の立ち往生を発生させないことが重要となる。JR西日本では、気象予測をもとに、特急サンダーバードの琵琶湖線経由での迂回運転や、普通列車の事前の運転見合わせを行っている。しかし、強風が吹く見込みに対して、実際は強風が吹かない「空振り」が多く発生しており、予測精度の向上が輸送品質の観点からも重要とされてきた。
そこで、気象予測技術を保有する大阪ガスとJR西日本との共同開発により、強風を高精度に予測するためのプロジェクトを2019年に開始した。AI技術を活用した強風予測システムでは、大阪ガス独自の高解像度な気象予測データを、JR西日本が開発した学習済みAIモデルで解析し、24時間先までの風速と風向きを予測。本システムにより湖西線沿線における局地風況を高い精度で予測でき、その結果から運行計画を判断することが可能となる。
試験導入期間の検証結果では、従来手法に比べて「空振り」の発生割合が約4割改善することがわかった。また、本システムの導入により、従来の気象予測エリアよりも細かい区間ごとの強風予測が可能に。本システムの活用で、鉄道の安全性と利便性のさらなる向上に貢献していく。