2025年01月23日 19:00

山口大学と、水素専門の機器メーカー「ドクターズ・マン」の共同研究で、ブタを用いた水素点滴中の水素の体内動態を検証。水素点滴時の水素の体内動態を世界で初めて明らかにした。
抗酸化作用を持つ水素ガスは、in vitro、動物実験、ヒトを対象とした研究において、心血管系疾患、腎疾患、膠原病・自己免疫疾患、がんなど幅広い治療適応について評価されてきた。水素の送達方法としては、吸入、水素水の飲用、水素点滴、水素風呂への入浴、電解水透析など、多種多様な方法が試されている。しかし、依然として、臨床適応症に応じたふさわしい投与形態は定まっていない。これは各々の送達方法における水素の体内動態と薬力学が科学的に証明されていないのが原因と考えられる。
本研究では、水素を異種物質の混入なく点滴製剤(医薬品)に加圧混入できる方法を確立。ニードルレスの側孔のあいたプラスチック製カニューラを用いることにより、水素を異種物質の混入なく点滴液に加圧混入できることが確認できた。今回の水素充填方法による溶液(生理食塩水)のpHや組成の変化は認められず、無菌性が損なわれることもなかった。
さらにブタの左内頚静脈から水素含有生理食塩水を1時間あたり125mlのスピードで点滴投与。すると点滴ラインの先端より3cm心臓側の左内頚静脈における血液中の水素濃度と右房内の血液中の水素濃度は、それぞれ点滴液中の水素濃度の1/250~300、1/2300に希釈されることを確認した。