2025年01月22日 15:59

次世代移動支援技術開発コンソーシアムは、共同で開発を進める視覚障害者向けナビゲーションロボット「AIスーツケース」について、デザインを一新。新たな車輪機構やセンサーなどの新機能を搭載したモデルを開発した。

「AIスーツケース」は、視覚に障がいのある人を目的地まで自動で誘導することを目的に開発されている、スーツケース型ロボット。これまで、未来館とコンソーシアムが相互に技術協力を行い、屋内施設で一般ユーザーによる実証実験を行ってきた。

AIスーツケースのボディには、これまで市販のスーツケースを活用してきたが、今回オリジナルデザインを新たに開発。段差の乗り越え機能を強化した新車輪機構や、低位置の障害物も認識するセンサーを追加するとともに、ハンドル部分にディスク型の方向提示装置を採用するなど、新機能を搭載した。

さらに、AIスーツケースに搭載するカメラで周囲を画像認識し、周辺の建物や道路状況、周囲の歩行者に関する情報を音声でアナウンスするAI音声機能も搭載。今後、ユーザーからの質問に答える機能に加え、対話からユーザーの興味を導き出し、おすすめの行き先を提案・設定する機能なども開発する予定。

今後はナビゲーションの精度をさらに高めるとともに、AIによる音声対話などの新たな機能の開発を進め、大阪・関西万博で本格的な実証実験を行う予定。万博会場内では2025年4月から10月まで複数台を同時運用することで、社会実装に向けた運用モデルの技術的な課題を洗い出すなどの検証を行う。