2025年01月07日 16:15

ELEMUS(エレムス)は、1月16日~20日、パリで開催される世界最大級のインテリアとデザイン関連の国際見本市メゾン・エ・オブジェに出展。同社が開発する漆と木粉のみを原料とした100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL(アーシル)」を欧州へ向けて初披露する。

同社は持続可能性と再生可能性を中心に掲げ、これまでの事業モデルから脱却して、環境負荷を最小限に抑えつつ社会に貢献することを目指している。世界各国の素材メーカーがバイオマスプラスチックの開発を行う昨今、同社は日本が古来より活用してきた天然素材「漆」に着目。漆と独自技術で微粉砕した木粉(主に間伐材や端材などを活用)を用いた100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL」の開発に成功した。

「URCYL」は、ABS 樹脂とほぼ同等程度の物理的強度を持ち、抗菌性、抗ウイルス性を併せ持つ、耐熱性の高い素材。食洗機の使用も可能なため、食器をはじめとする生活用品や、照明器具、工業製品の部品としてなどさまざまな活用が見込まれる。

ELEMUSは、大学や研究機関と連携し自社でウルシノキの栽培に着手、これまで不可能とされていたウルシノキの人工発芽に世界で初めて成功している。ウルシノキは発芽後15年程度で、樹液を採取できるようになることから、長期的に安定した資源供給が可能。他の樹木に比べて成長が早いことから、CO2の吸収量(固定化)が多いと考えられており、環境保護の観点からも評価されている。