2024年12月23日 16:37

順天堂大学、および岡山大学の共同研究グループは東京科学大学、長崎大学、鳥取大学との共同研究により、精神的ストレスが皮膚アレルギーを悪化させるメカニズムを解明した。
精神的ストレスは自己免疫疾患やアレルギー、がんを含む様々な疾患の増悪や発症に関与することが知られている。特に、アトピー性皮膚炎は、古典的な心身症の分類であるHoly sevenの一つにも数えられていたこともあり、その発症や悪化には精神的ストレスが深く関わっていると考えられてきた。
しかしながら、この分子メカニズムについてはまだ十分解明されておらず、長らく不明なままだった。本研究により、交感神経由来のストレスホルモンが、抗炎症性マクロファージ(免疫細胞の一種)のβ2アドレナリン受容体を介して抗炎症機能を低下させ、炎症を悪化させていることを突き止めた。本論文はJournal of Allergy and Clinical Immunology誌に、11月18日にオンライン版で発表された。
今回、研究グループは、特化した治療薬がなく、発症メカニズムも不明であった精神的ストレスによる皮膚アレルギー増悪メカニズムを解明。ストレスが免疫細胞の性質まで変えてしまうことが明らかになった。本成果は皮膚アレルギーのみならず、他のストレス関連性の疾患がどのようにして発症しているかを解き明かすヒントにもなると期待される。