2024年12月19日 15:56

コンステックと豊橋技術科学大学は、鉄骨造建物の耐震改修において、補強部材をエポキシ樹脂接着剤により接合する「アドジョイント工法」を開発した。
アドジョイント工法は、独自の接着接合システムにより現場での溶接作業を完全に排除した新しい接合工法。せん断抵抗部は複数枚の鋼板と接着剤から構成されており、一番外側の凹型プレートとベースプレートが嵌合接合されている。これにより、接着部には引きはがす力が生じないため、高い接着強度が期待できる。
引張抵抗部はH形鋼タイプの場合、フランジ側面に設置されるボルトと引張抵抗PL、山形鋼とスペーサーから構成されており、既存フランジへの孔開けは不要。圧縮抵抗部はベースプレートからせん断抵抗プレートを介して、既存部材へ直接面圧により力を伝達する構成になっている。
溶接作業を不要とすることで、火災リスクが抑えられ、煩雑な火気養生や残火確認といった付随作業も省略。これにより、工期の短縮と施工の柔軟性が大幅に向上する。特に、可燃性物質を扱う工場や倉庫など、従来は火災リスクにより耐震改修が困難だった施設においても、安全かつ効率的な施工が可能。夜間や休日など限られた時間での施工にも対応できるため、施設の稼働を極力妨げることなく改修工事を実施できる。
また既存部材にボルト孔を設けないため、断面欠損が生じず(角形鋼管への側面接着時には、最小限の孔開け有り)、接着部に引張力が生じないため、せん断方向の高い接着力が期待できる。