2024年12月13日 12:44

イクシスと鴻池組は、橋脚の耐震補強工事における表面処理作業を自動化する建設ロボットを共同開発した。建設業界では、技能労働者の高齢化や人手不足が深刻な課題となっている。また、危険を伴う作業環境の改善も急務。
これらの課題を解決するため、「構造物の長寿命化」「生産性の向上」「安全性確保」を目指し、建設ロボット技術の開発に着手。その第一弾として、橋脚のRC巻立てによる耐震補強工事で実施される表面処理工法に着目し、その工法のひとつであるバキュームブラスト工法を自動で行うロボットを開発した。
開発したロボットは、橋脚を把持しながら昇降する機能を有する昇降ユニットと、表面処理を行うブラストガンを備えた研掃ユニットで構成されている。昇降ユニットは、フレームを内蔵エアシリンダーで伸縮させ、4カ所に配置された車輪を構造物に押し付けることで橋脚を把持し、橋脚を50~100mm/sの速度で自律走行。電源や空圧喪失などの不測の事態が発生しても安全装置が働き、落下することはない。
研掃ユニットに搭載するブラストガンは、大型化により約2倍の研掃能力を付与。ブラストガンをユニット上の走行レールに沿って60~80mm/sの速度で水平移動させることで橋脚面に密着させて研掃を行う。ブラストマシンは、ツーノズルハンドブラストマシンを使用し、研掃ユニットを2セット載せることで二面同時研掃が可能。このロボットにより、作業員数の削減、品質の安定化、粉じん飛散防止など、多くのメリットを生み出すことができる。