2024年11月26日 19:29

プリンテックは、高耐熱、低熱膨張、低誘電という優れた特長を持つマレイミド系樹脂で、独自の技術で溶剤に溶けやすい分子構造とした半導体パッケージ用高性能樹脂を開発した。

近年、半導体はAIやIoTの普及、DXをはじめとしたデジタル化の進展に伴い、一層の高性能化が期待されている。一方、半導体製造技術において配線の細線化が限界に近づきつつあることから後工程に注目が集まり、複数のICチップを1個のデバイスとしてパッケージ化するマルチチップ化の開発・実用化が進められている。

こうした中、マルチチップ化によってデバイスの発熱量が増加するため、ICチップの封止材料においては高耐熱、低熱膨張のニーズが高まっている。また、ICチップを搭載する配線基板(コア基板)の絶縁材料においても、低誘電正接、低誘電率が求められている。

新開発「HR樹脂」は、高耐熱・低熱膨張係数・低誘電正接・低誘電率という優れた特性を持つマレイミド系樹脂を主成分としながらも、溶剤への溶解度が高い。一般的なマレイミド系樹脂は代表的な溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)への溶解度が約10%であるのに対して、HR樹脂は分子構造を調整することで溶解度約70%を実現した。

このため、エポキシ樹脂等の他の機能性樹脂と複合化することが容易。他の樹脂が持つ長所と組み合わせることで、最新の半導体封止樹脂、パッケージ基板の高い要求仕様に柔軟に対応することができる。