2024年11月01日 10:05

有人宇宙システム(JAMSS)とサイエンスは、宇宙シャワーの実現に向けた共同研究を開始した。
本共同研究では、JAMSSの国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の運用経験および宇宙飛行士の健康管理技術とサイエンス社のファインバブル技術を組み合わせ、宇宙滞在時における生活の質(QOL)向上を目指す。
これまで各国の宇宙機関がリードしてきたISSは2030年以降、民間宇宙ステーションへと移り変わる。今後、宇宙利用が民営化されることで宇宙旅行者が増加し、より快適な住環境が求められるようになる。JAMSSは宇宙滞在時の課題とニーズに着目し、QOLを向上させるサービスの提供が、民間の有人宇宙活動の拡大に寄与できると考えている。
現在、ISSでは常時7名の宇宙飛行士が滞在しているが、水資源が限られていること、そして安全面の制約から入浴(風呂・シャワー)は行われておらず、水を使わないドライシャンプーや濡れタオルでのふき取りで代用されている。今後、民間の旅行者も含む多様な人々が宇宙に滞在する時代が訪れることを考慮すると、入浴のニーズは大きくなると予想される。このような背景を受け、JAMSSは宇宙シャワーの実現を目指し、サイエンス社と共同研究を開始した。本共同研究では、ISSの微小重力環境下において、有用かつ安全、衛生的な「節水型シャワー」の技術的実現性を検討し、開発・技術実証を行った上で、2030年前後に民間宇宙ステーション等でのサービス提供を目指す。