2024年01月25日 15:58

三菱電機は同社のAI技術「Maisart(R)(マイサート)」の一つとして、「行動分析AI」を開発した。一人ひとりの作業を撮影した動画から、改善すべきポイントを短時間で見える化でき、製造現場の生産性向上に貢献する。
人による作業工程では、作業時間や品質にばらつきが生まれやすく、製造工程のボトルネックとなる場合がある。ばらつきの改善には要素作業にかかる時間を定量化する作業分析が重要だが、人手による作業分析は、膨大な時間と手間がかかるという課題があった。
この課題への対策として、AIの活用など作業分析の自動化に向けた技術開発が進められている。しかし従来の一般的な作業分析AIは、導入にあたり、作業者や作業の手順ごとに人手で作業分析した結果を教師データとして作成し、学習させる必要があり導入に時間を要する。
同社は今回、教師データの作成が不要で、作業者の身体動作を分析し、数分で作業分析を実現する「行動分析AI」を開発した。本技術は、作業中は同じ身体動作が繰り返し行われることに着目し、循環する身体動作の確率的生成モデルを世界で初めて作業分析に適用。これにより、作業分析にかかる時間を最大99%削減できることを実証した。
本技術は、同社が2019年2月13日に広報発表した「人のわずかな動作の違いも見つける行動分析AIを開発」の技術を発展させたもの。本開発成果は、1月31日から東京ビッグサイトで開催される「IIFES 2024」に出展し、デモンストレーションを実施する。