2024年01月22日 19:52

東京書籍は、1月22日、書籍「おもちゃ教材で育む人間関係と自閉スペクトラム症の療育」(白石 雅一/著)を発売した。
一般的に、人間関係は、親(養育者)との愛着関係に始まり、祖父母やきょうだいに広がり、先生や友だちへの信頼関係、そして、親しい人との恋愛関係、夫婦関係へと深まって、発展していく。人の成長・発達とその生涯は、人間関係を抜きに考えられない。本書ではまず、この人間関係について、見て分かるように可視化をして、説明している。
自閉スペクトラム症の人たちは、対人関係の障害によって、人間関係を結ぶことや育むことを苦手とする。彼らは、対人関係が苦手な分、「物との関係」(対物関係)に囚われた生活を送りたがる。この特徴を踏まえて、おもちゃ教材を用いることで、彼らの対人関係にアプローチし、人間関係の形成を目指す支援を行うことができる。
具体的には、お母さん・お父さんと目を合わせてくれないのなら、おもちゃ教材を見せることで、親の目にも視線が合うように場面を設定していく。また、呼んでも振り向いてくれない、指差しても見てくれないなどの状態に際しては、おもちゃ教材を媒介にして改めて求めてみると、人に応じられるようになっていく。
本書では社会性を育む「おもちゃ教材」と療育や支援の事例をビジュアル解説。自閉スペクトラム症の子どもが苦手とする対人関係への支援を通して、基本的な人間関係を育み、発展に導くための方法を具体的に示した一冊となっている。定価2640円(税込)。