2023年09月11日 09:55

フルテックは、明治大学理工学部建築学科・酒井孝司専任教授による「eメディアドア」を用いた「商業施設での実証実験結果と開口幅制御によるCO2削減効果の研究」の実証実験結果を発表した。
同社は2022年1月、NECソリューションイノベータと、カメラ画像から人の動きをAIで解析し、ドアを通過する場合にのみ開き、また向かってくる方向によって開口幅を制御する「eメディアドア」を共同開発した。効果検証のため、みずほ銀行が提供するビジネスマッチングアドバイザリー機能を活用し、同ソリューションの検証パートナーを探索した結果、明治大学酒井専任教授との連携について提案・紹介を受け今回の研究が実現した。
実証実験では、実際の商業施設にカメラを設置して通行導線を記録し、AIによる画像解析と自動ドア制御で総開口面積を抑える効果を測定した。その結果、自動ドア1台分で、建物内の空調にかかる電力を年間で9.2%(1495.0kWh)削減し、659.3kgのCO2を削減できることが実証された。これは金額にして年間4万300円の節電であり、杉の木74本分のCO2吸収量と同等の効果となる。同社は「eメディアドア」で自動ドアの無駄開き削減、開口幅の適切化で空調ロスを低減し、カーボンネットゼロに貢献していく。今後は、AIによる利用者を見分ける技術や物体認識精度を一層向上させ、利用者それぞれに配慮したさらに安全な自動ドアを目指す。また、自動ドア設置場所の価値を活かした情報の受発信なども追求していく。