2023年04月21日 12:02

酒井化学工業は、国産初の調湿気密シート「すかっとシート」をリニューアルした「すかっとシートプレミアム」の販売を開始した。

2025年に義務化される新築住宅の省エネ基準適合に向けて、住宅の高気密・高断熱が不可欠となる。通常の気密シートで気密性を高めると湿度調整ができず壁の中の断熱材に壁内結露が発生することがある。そこで、気密シートでありながら湿度調整機能を併せ持つ調湿気密シートが必要になってくると予想される。

湿気が住宅の室内外を移動し、壁の中で結露するのを防ぐために、従来は気密シートを使用していた。しかし、猛暑日が増えた日本の夏は室内外の温度差が激しく、冷房により冷やされた内壁に外気が触れるだけで結露することがある。その際に気密シートで遮断されていると湿気の逃げ場がなくなり、壁の中はどんどん高湿度になっていくばかりとなる。そこで、調湿気密シートに切り替える工務店や設計事務所が増えている。調湿気密シートとは、壁の中が低湿度の時には室内からの湿気をブロックし、高湿度になると室内に向けて湿気を通すという湿度調整機能を備えた気密シートのことだ。

調湿気密シート「すかっとシート」の開発段階では、海外品の調湿性能と同等となる製品を国産で作りたいと考えて取り組んだ。当初の製品は、外皮構造により性能を十分に発揮できる製品だったが、低湿度環境での透湿抵抗値が従来の防湿気密シートより低く、東北以北の寒冷地にはお勧めできなかった。そこで全国的に省エネ住宅が拡がることに対応するため、調湿領域が広くなるように改良を重ね「すかっとシートプレミアム」を開発し販売開始する。

酒井化学工業