2023年01月05日 09:07

アイリスが12月23日より一般発売を開始した咽頭内視鏡システムnodoca(販売名nodoca(ノドカ))に関する論文が、医学雑誌「Journal of Medical Internet Research」に掲載された。

本研究論文は、UCLA医学部・公衆衛生大学院の津川友介准教授、筑波大学医学医療系の岩上将夫准教授と共同で執筆し、咽頭撮影用カメラの開発、咽頭画像データ収集、AIアルゴリズムの構築及び検証(治験)という一連のnodoca開発プロセス全体を対象としている。アイリスは今後も開発の成果を学術論文として公開・発表することで医学の発展に貢献していく。

AIでの解析に適した咽頭撮影用カメラを独自に開発し、インフルエンザ様症状で診療所や病院を受診した患者に協力してもらい、咽頭画像と臨床情報を取得した。収集したデータを元に、咽頭画像と診療情報に基づいてインフルエンザに特徴的な所見を検出するAIモデルを構築した。検証段階(治験)ではPCR法での検査結果と比較し、感度と特異度はそれぞれ76%(点推定値)と88%(点推定値)だった。また、追加で3人の医師の診断結果と比較する分析を行ったところ、構築したAIの感度と特異度は医師を上回り、AIを用いたインフルエンザ診断が有用である可能性を示した。

AIモデルの注目領域を可視化したところ、咽頭後壁の濾胞(ろほう)に注目していることがわかり、咽頭の視診がインフルエンザ診断に役立つことを示唆するこれまでの宮本昭彦医師らの報告の見解と整合していた。

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