2022年07月28日 15:19

Liberaware(リベラウェア)は日本製鉄と共同で、狭所においても安定して飛行し高精度な撮像が可能な小型ドローン「IBIS」の実機適用について検討。本年7月より、製鉄所内の大型構造設備にて運用を開始した。

日本では、製造業や各自治体での高度経済成長期に建設・整備されたプラントやインフラ設備において、設備老朽化や人手不足による整備作業負荷とコストの増大が顕在化。産業基盤のDXによる「機械化・遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題となっている。

製鉄所内には構造が複雑かつ大型の設備が多く存在し、設備点検をする際にも高所での作業が必要となるため、これまでもドローンを活用した点検を導入してきた。一方、複雑な構造の設備の狭い部位、場所においては、汎用のドローンでは複雑な障害物に対して小回りが利かない。また、気流がある場所での静止や自律飛行が難しいなど、製鉄所内での安定飛行や精度の良い撮像には限界があった。

リベラウェアが開発した「IBIS」は、寸法20 cm、重量185 gと業界最小クラスの機体に、高度な姿勢制御機能を搭載。狭小で複雑な設備内部での安定飛行、高精度の撮像を実現する産業用小型ドローン。また、取得した動画及び画像データから、点群などの三次元データ等も生成することができる。「IBIS」を活用することにより、高所作業の削減や整備作業の負荷軽減が可能となる。さらに三次元データを用いて、設備保全の高度化を推進し、生産の安定化・効率化を図る。