2022年07月12日 09:12

食文化は7月、福井県鯖江市で栽培されているGI産品・伝統野菜「吉川ナス」の取り扱いを開始した。
食文化は運営する(うまいもんドットコム・豊洲市場ドットコム)内にGI登録商品を取りまとめた「GI産品販売サイト」を立ち上げ、日本の生産者と日本の地域ブランドを世界に広める活動に協力している。
福井県鯖江市の旧吉川(よしかわ)村の辺りで栽培されていた吉川ナスは、1000年以上の歴史を持ち、賀茂ナスのルーツともいわれている。収穫時期は6月~10月。300gほどのソフトボールくらいの大きさの丸ナス。皮が薄く、引き締まった肉質は火を通しても煮崩れしにくく、田楽などに適している。油との相性も良く、甘くとろけるような味わいと親しまれてきた。
昔のままの姿を留めている吉川ナスは、風が吹くとその棘に触れて、果実が傷ついてしまい、見映えが悪くなる。栽培が難しい上に、収穫量も多収型に比べると1/3以下と少ないため、栽培農家が激減してしまい、1990年前後には、栽培農家が1軒になった。2009年「鯖江市伝統野菜等栽培研究会」を結成し生産が途絶えかけた吉川ナスの再興に挑み、伝統を守り続けるため、定期的に栽培講習会を開催し、共通の栽培指針に基づく同じ品質のナスを出荷できるように努めている。
地理的表示(GI)保護制度は、地域の高品質な産品を国が登録・保護する制度。吉川ナスは北陸初のGI登録、また伝統野菜としては全国初の登録産品となる。