2022年06月17日 15:54

平和祈念展示資料館は7月5日~10月16日、2022年度第1回企画展「軍事郵便絵葉書に見る 彩管報国(さいかんほうこく)の画家たち」を開催する。本展は、軍事郵便絵葉書の絵が印刷された面(裏面)だけを一挙に展示するという、初の試み。本資料館が所蔵する700点以上の軍事郵便絵葉書から約400点を展示。様々なジャンルの多くの画家たちが「彩管報国」のスローガンのもと、独特な感性と目線で描いた絵葉書を紹介する。
「軍事郵便」とは、戦地の兵士などが日本の家族へ、あるいは日本から戦地の兵士に送る郵便を指す。明治時代の日清戦争(1894~1895年)から、1945(昭和20)年の第二次世界大戦終戦まで存在していた。また「彩管報国」の「彩管」は「絵筆」のことで、日中戦争から第二次世界大戦にかけ、絵筆を執って国のために尽くすという「彩管報国」の理念が生まれた。
軍事郵便絵葉書には、大作の戦争画や展覧会の入選作が使用されたほか、従軍画家が描いた、普段の兵士の姿や異国の風景、戦地の日常の風物などのスケッチや水彩画が多く採用されている。また、戦争中の国内(内地)の暮らしや、何気ない日常の1こまを描いたものも。
本来、軍事郵便葉書は書かれた内容が重要で、貴重な戦争資料となる。しかし本展では、絵葉書の絵が印刷された裏面にスポットを当て、約70名の画家が描いた約400点の軍事郵便絵葉書を、画家のジャンル別に展示する。