2022年04月26日 13:08

ベースロードパワージャパンと、地熱を活用した地域創生事業会社「ふるさと熱電」および旅館「山翠」が協働。温泉バイナリー発電「山翠パワー地熱発電所」(総出力99キロワット)の運転を開始した。
山翠パワー地熱発電所は、「山翠」の既存温泉井戸から噴出する蒸気を利用して、2カ所に設置したバイナリー発電機まで蒸気を輸送。蒸気と低沸点媒体を熱交換することで、タービンを回転させるバイナリー発電方式を採用している。年間の発電力量は約700MWhを予定しており、これは一般家庭の約200世帯分の年間使用電力量に相当する。
発電した電力は、再生可能エネルギー特別措置法の固定価格買取制度(FIT)を活用し、九州電力送配電に売電。またエネルギーの地産地消を目的に、余剰の温泉水や発電に使った蒸気を凝縮した熱水を、浴用として旅館「山翠」に提供する。
山翠パワー地熱発電所では、温泉旅館で利用している1本の温泉井から得られる蒸気を2本に分離し、2カ所の発電機まで蒸気輸送をしている。しかしこれを実現するためには、圧力平衡を保つ設計など、高い技術的要件が求められる。今回、各々の技術力が結集することで技術的課題を解決し、2機の安定稼働を維持。発電した電気は九州電力送配電より中央電力に引き渡され、同社が推進する「RE100対応・温泉旅館地熱発電プロジェクト」を通し、全国を対象としてこの取り組みに賛同する電力消費者に提供される。