2022年04月06日 15:49

日華化学は、染色又はプリントされたポリエステル布地から水を使わずに染料を簡単に取り除き、再度、染色・プリントによる意匠を付与することを可能とする技術「ネオクロマト加工」を開発した。

昨今の人々のサステナビリティ意識の向上により、アパレル、テキスタイル素材の大量廃棄が社会問題となっている。衣類の国内新規供給量は計81.9万トン(2020年)に対し、廃棄される量は計51.0万トンとの調査も。ファッション、スポーツアパレル素材のアップサイクルによる地球資源の有効利用、環境負荷低減は使命となっている。

今回同社は、分散染料にて染色されたポリエステル繊維から安全性の高い薬剤を使用。ヒートプレスマシンのみで大掛かりな設備を使用することなく、また水を使用せずに染料のみを数分間でほぼ完全に脱色出来る、革新的な技術を開発した。脱色された箇所は新たに染色、プリントすることが可能であり、この技術を使えば何度でも新たなプリントデザインが楽しめる。

この技術の活用シーンは多岐にわたる。普段着のTシャツのデザインを季節や気分で変えたい。スポーツユニフォームのシーズンごとのリデザインやポリエステル繊維を脱色してマテリアルリサイクルの原材料とするなど、ファッション・テキスタイルロスゼロ、サーキュラーエコノミーへ大いに貢献するものと期待されている。今後アパレルブランドとのコミュニケーションから、この技術の可能性を検証していく。詳しくはこちら