2021年12月08日 15:45

ペット保険の「PS保険」を提供する少額短期保険会社のペットメディカルサポートは、同社ペット保険「PS保険」が、2021年8月に支払った高額保険金事例について公開。その中から「犬の特発性乳び胸」の診療について、「電話どうぶつ病院Anicli24」の院長、三宅亜希先生の解説を紹介した。
高額保険金支払い事例として公開されたのは、「犬の特発性乳び胸に48万7000円」。三宅先生によると、乳び胸とは、胸腔内に脂肪をたくさん含んだリンパ液「乳び」が、何らかの原因により貯留する病気。進行すると肺が正常に膨らまず、呼吸困難や咳などの呼吸障害を生じる。犬の乳び胸の多くは、はっきりとした原因がわからない特発性乳び胸だという。
診療としては、問診や聴診、またレントゲン検査により、胸腔内の液体の有無を確認。さらに胸腔内の液体を抜去(ばっきょ)し、成分を分析する。治療は、乳びの貯留がごく軽度の場合を除き、通常はまず胸腔内の乳びをすべて抜去し、その後、内科治療を行う。外科治療は、胸管を結紮(けっさつ)し、胸腔内に乳びが流れてこないようにする手術が中心。これに加え、静脈圧を下げるための心膜切除や、リンパ管圧を下げるための乳び槽切開などが行われる場合もある。
特発性乳び胸は、詳しい原因はまだよくわかっていないが、経過の長期化が予後に影響を与える。そのため、早期に治療を開始することが重要だとしている。詳しくはこちら。