2020年11月30日 09:05

セルファイバは、東洋紡と共同研究を開始した。

セルファイバは、ひも状の細胞塊を形成する世界初の技術「細胞ファイバ」をコア技術として2015年4月に設立された東京大学発スタートアップ。「『細胞をつかったものづくり』で地球規模の課題解決に貢献する」をミッションに掲げ、現在は医療用途の細胞量産および細胞を利用した物質生産技術開発に取り組んでいる。セルファイバの培養技術を用いることで、細胞そのものの量産のみならず、細胞由来有用物質の高効率生産へ応用することが可能。セルファイバは細胞の力を利用して、医薬品はじめ化成品の大量製造を実現し、細胞がより身近な素材となる世界を目指す。

細胞ファイバ技術は、髪の毛ほどの細さの中空ハイドロゲルチューブ内に細胞を封入し、培養する技術だ。周囲のゲルが内部の細胞を保護しつつ過剰な凝集を防ぐため、従来培養法に比べて細胞を良好な状態で長期間維持することができる。同時に、チューブ内に閉じ込められた細胞から物質が分泌されると、その物質のみがチューブ外に放出されることから、物質生産においても有用な基盤技術といえる。

セルファイバではこれまでに、高生産細胞培養技術および物質生産技術の構築に取り組んできた。今回10月より、東洋紡との共同研究を開始。また、複数の事業会社に対して小規模試験における技術評価を完了し、随時共同開発へと進んでいく予定だ。

セルファイバ