2020年11月04日 12:15

凸版印刷は、長期冷凍保管される畜肉や魚介類加工品などの1次産品を、長期品質保持することが可能となる環境配慮型パッケージを開発した。

畜肉や水産加工品などの1次産品は、長期保管が必要になることから冷凍することが一般的。従来、冷凍保管の条件下では、畜肉や水産加工品は品質劣化が少ないと考えられていたため、長期保存が可能なバリアフィルムは不要とされており、冷凍食品向けの保存包材の開発は進められていなかった。

凸版印刷は2016年より大学機関と連携し、バリアフィルムを使用したパッケージを畜肉や水産加工品に使用した時の効果検証を進めてきた。その結果、凸版印刷が独自に開発したバリアフィルム「GL BARRIER」を組み合わせた冷凍用包材を使用することで、従来よりも品質保持期限が延長する結果を得ることができた。内容物によっては、同社が開発した同製品を使用することで、従来超冷凍(F4級:-50℃以下)で保管されていた食品の冷凍温度帯を-18℃へ緩和することが可能となり、保存コストを従来の約60%削減することができる。また、冷凍時の消費電力を抑えることでCO²排出量の削減にもつながる。リサイクルが容易なモノマテリアル構成にも対応可能で、CO2排出量の削減とリサイクル適性の向上を実現した環境配慮型パッケージだ。

同製品は11月2日より、冷凍畜肉・水産・農産加工品などの卸売り事業社や食品メーカー、スーパーなどに販売を開始している。

凸版印刷